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第104回日本病理学会総会市民公開講座の開催のご報告

第104回日本病理医学会総会「市民公開講座」は第3日目の平成27年5月2日、午後4時より、名古屋国際会議場のレセプションホールにて開催されました。
テーマは、「もっと知っておこう、子宮頸がん ~あなたとあなたの大切な人のために~」で、司会は、高橋雅英総会会長と名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学教授、吉川史隆先生が務めました。 
子宮頸がんは検診による早期発見が可能ながんであり、日本において特に若い世代への普及が重要な課題になっています。検診の際のがんの組織診断においては病理医が大きな役割を果たしています。
本市民講座ではまず、吉川教授の開会挨拶の後、最初の演者として、女優の仁科亜季子さんが「元気な明日のために ~がんに負けない~」をテーマに講演しました。24年前に子宮頸がんを患った仁科さんは、抗がん剤の治療、副作用、手術、術後の後遺症などの経験から病気に負けないために心がけていることを話され、検診の重要性を訴えました。がん患者としての立場でしかわからない貴重な体験を話しました。
2番目の演者である和歌山県立医科大学 産科婦人科教授の井箟一彦先生は、子宮頸がんを予防しよう ~女性の健康を守る~をテーマに、産婦人科の専門家として子宮頸がんの原因や治療法を解説すると共に、子宮頸がん検診と早期発見の重要性、予防ワクチンに関する最近の国内の取り組みについて講演しました。
最後の演者は、順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授の樋野興夫先生でした。純度の高い専門性と社会的包容力 ~病理医の役割~ について、がん哲学という観点から講演しました。「がん哲学外来」でがん患者と接している樋野先生は、医師としての立場と患者としての立場からがんに向き合うために必要なことを一般の方にもわかりやすく講演し、心のケアについては多くの参加者も感銘を受けていました。
講演後、演者を交え、パネルディスカッションが行われました。司会の高橋会長、吉川先生から講演内容をもとに3名の演者にコメントを求め、それぞれの立場からさらに子宮頸がんと向き合うための心得を聞きました。
会場には、250名近くの参加者が集まり、熱心に耳を傾けていました。
最後に高橋会長から3名の講演者にまた、本日ご参加いただいた方々に感謝するとともに、皆様のこれからの人生が健康であることを祈って閉会の挨拶としました。


市民公開講座の様子

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司会:吉川史隆先生(名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学)
   高橋雅英先生(名古屋大学大学院医学系研究科分子病理・腫瘍病理学)

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仁科亜季子さん

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井箟一彦先生(和歌山県立医科大学産科婦人科学)

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樋野興夫先生(順天堂大学医学部病理・腫瘍学)

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パネルディスカッションの様子